現代に生きる我々は、写真に囲まれて生きていると言っても過言ではないだろう。 街で見かける看板やポスター、部屋の中にある本や製品、スマホやパソコンで見る投稿・記事など、写真を見ない日は無い生活を送っている。 写真は、いったいどのように始まったのか、興味がある人もいるだろう。
そこで今回は、写真の始まりについて、穴埋め問題形式で出題したいと思う。 よければ挑戦してみてほしい。
小室真司「メディア学入門 問題集」からの出題
肖像画家の道具
カメラ・[① ]は絵を描くための道具として15世紀頃から使われるようになった。 初期は、暗室の壁に外の風景を倒立像として映し出すものだ。 被写体の乱反射した光を[② ]に通すことにより、可能になる原理だ。 小型化が進み、持ち運びに便利になり、肖像画家が像を正確にトレースするために使っていた。
ダゲレオタイプ・カメラ
世界で初めての実用的な写真術として、ダゲレオタイプ・カメラは[③ ]年にルイ・ジャック・マンデ・[④ ]によって発明される。 銀メッキを施した[⑤ ]板に写真現像を定着させる技術だ。
ダゲレオタイプの登場により、写真家という新しい職業ができた。 最初、写真家になったのは職業画家たちである。 画家らは当時、肖像画を描くためにカメラ・[① ]を使用していたが、ダゲレオタイプの普及によって肖像画で稼ぐことが不可能になることを予想し、写真家に転身していったのだ。
写真家の主な被写体
初期の写真家は、何を写して稼いだか。 それは、人物をテーマの中心に置いた[⑥ ]写真である。 なぜなら、現代と違って川や植物などを撮ってもお金をもらえないからだ。 写真を1枚仕上げるのに特殊な道具と専門技術が必要であったため、商売になった。
当時、[④ ]の発明を新聞で読み、自分の写真を撮ってもらいたいと思う人は、教育を受けた少数の富裕層のみである。 一般大衆は字を読める人が少なく、新聞を見ていなかったために、ダゲレオタイプ・カメラの存在を知らない者が多かった。 また、写真家が積極的にセールスに行く相手は、当然、お金持ちだ。
スタジオの登場
1840年に、世界で最初のダゲレオタイプ[⑥ ]スタジオが、[⑦ ]にできる。 このようなスタジオ・ギャラリーは一気に広がり、1853年頃には[⑦ ]だけで100以上でき、働く者は250名以上になった。
写真の発明は、人々の外見・ファッションに対する意識を変えていった。 特に女性は、短い期間でデザインを変えた服を着て写るようになり、化粧技術や着こなしなども急速に変化していったのだ。
新聞報道
写真が初めて新聞報道に使われたのは、[⑧ ]戦争(1853年-1856年)である。
上記の出題は、下記の本を参考にして作られた。 メディア学、写真を知るにはいい本なので、お勧めする。
はじめてのメディア研究 「基礎知識」から「テーマの見つけ方」まで
浪田陽子 福間良明 編 世界思想社 2012-04-20
安友志乃 雷鳥社 2009-01
解答
①オブスクラ ②ピンホール ③1839 ④ダゲール ⑤銅 ⑥ポートレイト ⑦ニューヨーク ⑧クリミア
写真(ニューメディア)は、様々なメディアに使われ、人々の意識を変えていった。 現代社会でも新しいメディアが次々と登場している。 これからの時代を読むためにも、ニューメディアが社会に与える影響を知る必要があるだろう。
結論
人々の意識を変える新しいメディアを研究するべし!
小室 真司