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「メディア論入門テキストの問題集」からメディア・リテラシーについて出題しよう

約 4 分

起きてから寝るまでの間にメディアに触れずに過ごす時間は、いったいどのくらいあるのだろうか?

私達が生活する現代社会は、ほとんどの時間をメディアと接触しているといっても過言ではない。 メディアを通して取得した情報が、「現実」として大量に私達の脳に入ってくる。

だが、「メディア的事実」と「社会的真実」とは違う。  

例えば、テレビなどで「伝統ある日本料理の寿司は・・」と、言ったとする。 このセリフは、メディア的事実であり、社会的真実ではない。

昔は、現代のように冷凍車もないし、舗装道路も無かったから、当然、海岸に近い地域しか寿司という料理法は無かったのだ。 そもそも、「日本料理」という言葉は明治以降に作られた新語である。  

では、「昔から、男は外で働いて、女は家庭を守っていたんだ」というのは、どうだろうか?

これも、社会的真実ではない。 男が外(会社や工場)で働くことが一般的になったのは、近代化が達成されてからである。

それまでは、男も女も農作業などで一緒に働いていたし、食事の用意も男女両方が分担して作っていた。 小作農の人は牛小屋で集団で寝ていたりして、住居と働く場所は同じであった。 子育ても村全体でしていて、一夫一婦制の夫婦形態である現在の結婚制度も明治時代から強引に進められたものだ。 江戸時代では、男三人と女一人で暮らしていたりして、生まれてきた子供は誰の子か分からずに育てていたりしたのである。  

このように、我々の常識は歴史的・社会的真実からかけ離れており、自分の常識は社会から植え付けられていると思って、自分の価値観や考えを疑ってかかるべきなのだ。 メディア・リテラシー能力を高めることは、自分自身を知ることにもなるだろう。

メディア・リテラシーを高めることは自分自身を知ることになる  

小室真司 「メディア論入門テキストの問題集」からの出題

メディア・リテラシーという言葉の意味

一般に、「メディア」は「媒体・媒介」のことで、「リテラシー」とは「文字を読み書きする力」のことである。 しかし、メディア・リテラシーという抽象的な用語の定義は、時代や社会、人によって少し違う。

 

メディア学小辞典

脇阪豊 吉村淳一  同学社 2013-05-01

によると、メディア・リテラシーとは「テクストとしての媒体に含まれる[①     ]の理解ならびに媒体の活用に必要な基礎能力」  

 

メディア用語基本事典

渡辺武達 山口功二 野原仁  世界思想社 2011-01-17

によると、メディア・リテラシーとは「メディアのあり方を[②     ]構造のなかにおいて理解し、メディアの提供[③     ]を読み解き、メディアを使いこなすための能力」  

鈴木みどりによると、メディア・リテラシーとは「市民がメディアを[②     ]的文脈でクリティカルに分析し、評価し、メディアにアクセスし、多様な形態で[④     ]を創り出す力を指す。また、そのような力の獲得を目指す取り組みもメディア・リテラシーという」  

水越伸によると、メディア・リテラシーとは「人間がメディアに媒介された[③     ]を構成されたものとして批判的に受容し、解釈すると同時に、自らの思想や意見、感じていることなどをメディアによって構成的に表現し、[④     ]の回路を生み出していくという、複合的な能力である」  

中橋雄によると、「(1)メディアの意味と特性を理解いた上で、 (2)受け手として[③     ]を読み解き、 (3)送り手として[③     ]を表現・発信するとともに、 (4)メディアのあり方を考え、行動していくことができる能力」  

 

このように、立場や時代によって、求められるメディア・リテラシーの捉え方、力点の置かれ方は違うといえる。 それだけに、「誰のための・何のための・どのようなメディア・リテラシーなのか」を常に確認し、その意味するところを共通認識する必要がある。

 

上記の出題は、下記の本を参考にして作られた。 最近の情報もあり、体系的に書かれた良著なので、ぜひ読んでもらいたい。

メディア・リテラシー論

中橋雄  北樹出版 2014-04-10  

 

解答

①メッセージ ②社会 ③情報 ④コミュニケーション  

 

インターネット、SNS、メール、看板、チラシ、広告、本、音楽、映画、テレビ、マスコミ・・・

過剰ともいえる情報の中で我々は生活している。 「メディアはメッセージである」と言われるように、あらゆるものに人為的なメッセージ・誰かの思惑が入っているので、注意するべきである。  

 

結論

現代人にとって、メディア・リテラシーは必須の能力である!

 

小室 真司  

About The Writer

小室 真司
年 代 : 1970年代前半 生まれ
性別 : 男性
専 門 : メディア事業運営
趣 味 : 人文社会科学系の読書
好きな言葉 : メディアはメッセージである

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