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現代社会は、著作権法の知識が無ければ危険である

約 4 分
私達日本人は、多かれ少なかれインターネットに接続して生きている。

利用者としてだけでなく、SNSやホームページなどを通して情報を発信する側にもなった。

1億総クリエイター

農業革命・産業革命に続く、情報革命の最中にいるのだ。

だが、情報発信する危険性を自覚している人は少ない。

 

「自覚」とは、どのレベルのことを言うのか?

ズバリ言わせてもらおう。

著作権法に関する知識無しに情報発信している人は、その「自覚」がない。

非常に危険である。

 

個人情報を誤って載せてしまう等の危険性については、日本社会に広まっている。

しかし、自分が著作権侵害をする危険性については、まだまだ知らない人が多い。

例えば、仕事で、ホームページという情報発信の場に、他人の文章や写真、音楽などを無断で載せることは違法である。

著作権者の「公衆送信権」という名の著作権を侵害することになるのだ。

また、他人のホームページに掲載されている写真などの著作物を自分のPCに取り込んで仕事上の情報として利用すると、著作権(複製権)の侵害である。

ある日突然、著作権者から高額な損害賠償請求されても文句は言えない。

そんな新しい社会に突入していることを自覚するべきである。

時代は変わったのだ。

 

私は、規模は小さいがメディア事業の経営者である。

新しい時代の、新しい職業であるブロガー・クリエイター達のために、当然、著作権についての問題集を作っている。

その問題集から出題するから、よければ挑戦してみてほしい。

 

小室真司 「メディア学入門テキストの問題集」からの出題


著作物とは、「思想又は感情を[①    ]的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」である。

つまり、客観的な[②    ]や事象は、人の精神的活動が生み出したものではないので、それ自体では著作物にはなり得ない。

しかし、[②    ]自体は著作物でなくても、[②    ]を素材として文章や表の形に表現した場合は著作物となり得る。

この「[①    ]的」とは、どの程度のことなのであろうか?

判例では以下のように言っている。

「[①    ]的に表現したものというためには、当該作品が、厳密な意味で、独創性の発揮されたものであることは必要でないが、作成者の何らかの[③    ]の表現されたものであることが必要である。

文章表現に係る作品において、ごく短いものや表現形式に制約があり、他の表現が想定できない場合や、表現が平凡、かつありふれたものである場合には、著者の[③    ]が現われていないものとして、[①    ]的な表現であると解することはできない」

(東京地判平成11年1月29日「古文単語語呂合わせ事件」)


上記の出題は、下記の本を参考にして作られた。

情報発信をする私達にとって、とても有益な本である。

ぜひ買って読んでほしい。

 

Q&A 引用・転載の実務と著作権法<第3版>

北村行夫 雪村真吾 編集  中央経済社 2014-02-26

 

クリエイターのための著作権入門講座[改訂第2版]

一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(著、編集)  マイナビ 2013-08-10

 

解答

①創作  ②事実  ③個性

 

現代社会は、より一層複雑になり、日々変わっている。

だが、そのことに私達は気がつきにくくなっているのだ。

産業革命時代の変化は、蒸気機関車、電球など、目に見えたことも多かったであろう。

しかし、情報革命時代の変化は、意識して追わなければ分からないことが多い。

気が付かないうちにブラックボックス内で進化して行くのだ・・・。

 

結論

1億総クリエイター(著作者)、1億総ユーザー(利用者)の現代社会に、著作権法の知識は必須である!

小室真司

About The Writer

小室 真司
年 代 : 1970年代前半 生まれ
性別 : 男性
専 門 : メディア事業運営
趣 味 : 人文社会科学系の読書
好きな言葉 : メディアはメッセージである

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