みなさん、こんにちは。 宮台直樹です。
先月、某テレビ番組を見ていたら、日本人タレントが外国人タレントに、
「初詣はもう行った? え? まだ行ってないの? 初詣は日本の伝統文化だから、一度は体験しなきゃ~」
って言ってました。
ああ・・・
相変わらずテレビは、間違った情報を垂れ流し放題・・・。
初詣は、明治から大正にかけて意図的に定着させた「創られた伝統」ですよ~!
江戸時代は、宮中での四方拝などを除けば、歳徳神を自宅で迎えるのがポピュラーでした。
そもそも、地域や村ごとに伝統が違っていましたし、元旦は家にこもり、静かに過ごす人が多かったのです。
もちろん江戸時代は旧暦なので、西暦での1月1日ではありません。
明治政府が作った「学校」などを通して西暦の「元旦」と「初詣」が各地に広まり、大正時代に定着したわけですね。
天皇を中心とする近代国民国家をつくるために、
「日本人」をつくるために、
様々な村の掟・伝統・慣習が壊されていきました。
そして、企業も村の伝統を壊すのに積極的でした。
お客を増やすために、「初詣」「海水浴」「旅行」「スポーツ」などを推進。
「創られた伝統文化」「レジャー」「趣味」「消費」などを楽しむ習慣を、定着させようとしたのです。
財閥や大企業は、傘下に銀行・鉄道会社・ホテル会社・旅行会社・不動産会社・建設会社などを持っていました。
産業革命後のヨーロッパ・アメリカを参考にして、多くの会社を作ったわけです。
自社の不動産会社が安い土地を大量に買い占め、そこへ自社の鉄道をひき、駅前に自社のデパート・ホテルを作り、自社の建設会社が住宅・団地を作り、自社の工場を作り・・・
そうして儲けたお金を使って、違う地域に投資をしていく。
このような投資を繰り返して、日本は近代化していったのですね。
ぼくは学生時代に社会科学系の本を読んで、「伝統や習慣は政府や企業に創られる」という事実を知り、「マジで!?」って衝撃を受けたのを覚えています。
テレビや学校では、あまり教えてくれませんからね・・・。
「海水浴」も企業が創ったレジャーです。
江戸時代は、海へ泳ぎに遊びに行くことはありませんでした。
よそ者が海に行けば、その土地の人から追い返されるのがオチですから。
危なくてそんなことはできません。
ちなみに、「初詣」を積極的に広めたのは鉄道会社だそうです。
遠くからでも「初詣」をすることが当たり前になれば、鉄道に乗ってもらえると考えました。
まさしく創られた日本の伝統文化ですねぇ~。
About The Writer
宮台 直樹
世代 : 1970年代前半 生まれ
性別 : 男性
専 門 : 浅く広く
趣味 : 旅行
好きな言葉 : 逃がした魚は泳いでる
性別 : 男性
専 門 : 浅く広く
趣味 : 旅行
好きな言葉 : 逃がした魚は泳いでる