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「メディア学入門テキストの問題集」からマスコミュニケーションについて出題

約 5 分
マス・コミュニケーション。

今日では、「マスコミ」という表現が一般的である。

インターネットの世界では、マスコミのことを、「マスゴミ」と評する人々がいる。

事実に基づかない報道、記事の捏造、やらせ番組などが批判の対象になっているのだ。

そのうえ、放送・報道という役割をネットに取って代わられたということで、「オワコン」(終わってしまったコンテンツ)と言う人もいる。

マスコミに対しての評価は賛否両論あるだろうが、私達は大なり小なりマスコミから影響を受けているのは間違いない。

そもそもマスコミとは、いったい何なのであろうか?

私が作ったマスコミュニケーション問題集を一部公開するので、よければ挑戦してみてほしい。

 

小室真司 「メディア学入門テキストの問題集」からの出題


マス・コミュニケーション研究者にとって、「マスコミ」とは下記の三つの意味を含んでいる。

ラジオ・テレビ・出版・映画・新聞などのマスメディアの[①    ]者は、

1. 企業組織体としての精神活動者・技術専門家などの人間集団である。

2. その表現=伝達の方法は高度な(電子工学を応用した)機械・技術の装置を用いる一方通行な通信形態である。

3. マスコミの受け手は不特定かつ大量の一般生活者である。

 

「マスコミ」という言葉を厳格に説明した説に、[②    ]のマスコミ論がある。

[②    ]は1948年の論文で、マスコミ過程は”who, says what, in which channel, to whom, with what effect”の5領域で構成されており、各領域ごとに研究し、かつ全領域を総合して考察しなければならないとしたのである。

who([①    ]者→統制者分析)、says what(送り内容→内容分析)、in which channel(メディア特性→メディア分析)、to whom(受信者→受容者分析)、with what effect(惹起された結果→効果分析)

この説は現在でも有効とされている。

 

19世紀末~20世紀初頭に1紙で100万部を超える新聞が登場し、20世紀の1920年代には[③    ]が出現した。

そして、1930~1950年代にはテレビがマスメディア界に登場し、現在では衛星放送・ケーブルテレビ・インターネットなどがニューメディアとして普及している。

マスコミの研究が始まったのは、20世紀初期である。

しかし、学問的・本格的な研究が盛んになったのは、[④    ]戦からであった。

マスコミ研究は、100年程度の歴史しかない比較的新しい学問である。

研究対象が複雑で多いため、様々な他の学問の知見を応用しなければならない。

 

「マスコミ」要素を伴って最初に出現したマスメディアは、日刊新聞であった。

[⑤    ]年に創刊されたドイツの「Leipziger Zeitung」が、世界で最初の日刊紙である。

そして、市民革命期を経て、日刊紙は先進諸国で大衆新聞として商業的に急速に発展した。

 

キャントリル(Cantril,A.H.)の「[⑥    ]からの侵入」についての研究(1940年)は、有名である。

1938年10月3日の晩、アメリカでCBSラジオがウェルズ原作のSFドラマ「[⑦    ]戦争」を放送し、その物語のなかで[⑥    ]人侵入をアナウンサーが「臨時ニュース」として伝えるシーンがあった。

すると、これを聞いていた人々が「本当のこと」と思い込み、アメリカ中がパニック状態に陥ったのだ。

SOS

そのドラマを聞いていた人々の放送受容過程の心理学的分析・調査を行ったのがキャントリルらである。


上記の出題は、下記の本を参考にして作られた。

マスコミュニケーションを知りたい人にとって、とても役に立つ本である。

 

概説 マス・コミュニケーション [新版]

早川善治郎 編著  学文社 2010-04

 

メディア文化論ーメディアを学ぶ人のための15話 [改訂版]

吉見俊哉  有斐閣アルマ 2012-12-15

 

解答

①発信  ②ラスウェル(Lasswell,H.D.)  ③ラジオ  ④第二次世界大  ⑤1660  ⑥火星  ⑦宇宙

 

勘違いやデマによるパニックは、非常に怖いものである。

フツ族によるツチ族の大虐殺などは、最悪で悲しいできごとだ。

1994年、アフリカのルワンダ各地で、多数派のフツ族が少数派のツチ族を虐殺した事件である。

約3ヶ月も襲撃は続き、犠牲者は80万人~100万人とされる。

この大虐殺が起きた理由には、様々な要因があるのだが、国内の独立系ラジオが執拗にヘイトスピーチを流したことが、原因の一つとなっている。

私達もデマや勘違いでパニックに陥らないように、普段からメディアリテラシーや判断力を鍛えておかなければならない・・・。

 

結論

デマに踊らされないように、マス・コミュニケーションを勉強するべし!

小室真司

 

About The Writer

小室 真司
年 代 : 1970年代前半 生まれ
性別 : 男性
専 門 : メディア事業運営
趣 味 : 人文社会科学系の読書
好きな言葉 : メディアはメッセージである

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